少子化の影響もあり、労働人口が減少している今、新卒・中途に関わらず「採用活動がうまくいかない」と感じる採用担当者は多くなってきています。
では、求める人材を確実に採用するために、企業ができることとは何なのでしょうか。
目次
【新卒採用】の上手くいかない理由
まずは、新卒採用がうまくいかない理由を考えてみましょう。
求人広告に問題がある
求人広告は、人材を求めていることを知らせるだけでなく、会社を紹介する役目も担っています。
そのため、求人広告に掲載している内容が不十分であると、会社の概要や仕事内容、募集している人材などが学生に伝わらず、結果として応募が少なくなることがあります。
そのため、原稿の内容だけでなく掲載プランも再考して、必要なら広告にかける予算を上げることも検討しましょう。
予算を上げることで、検索結果の上位に表示されたり、バナーの掲載がされたりするなど、使えるオプションが増える場合もあります。
母集団形成に問題がある
会社説明会の内容や場所、広告を出してから実施までの期間など、学生にとって不都合な部分がないかどうかを確認してみましょう。
たとえば、駅から遠い説明会場では、応募が集まりにくくなる恐れがあります。
そのため、まずは欲しい人材像をもとにどのようなコンテンツであれば参加してもらえるのか しっかりと分析し、母集団形成の方法を検討します。
会社説明会の内容は学生にとって興味のあるものになっているか、 開催場所は適切か など 学生が集まりやすいコンテンツを考えるようにしましょう。
また、ターゲットの学生が利用しているであろう 広告媒体を分析するのも、 母集団形成の成功の秘訣です。
応募があっても、選考に進んでくれないなど、移行率が低いところに問題がある可能性もあります。
移行率が低い問題は会社の理解が不足していたり、魅力に感じられていないケースが考えられるため、アピール方法の改善が必要でしょう。
採用担当者のスキル不足
採用担当者は、学生が最初に接する社員であることが多いため、採用担当者の印象が悪いと会社全体に対するイメージも下がってしまいます。
学生に対して適切な対応ができていなかったり、内定承諾を迷っている学生に対する説得力が弱かったりすると、学生の入社意欲も下がってしまうでしょう。
そのため、 採用担当者は どのようにアプローチすれば自社の魅力が十分に伝わるのか、 しっかりと企業分析したうえで学生と対応しましょう。
口頭だけでなく、 動画や資料などで説明できるような 媒体を活用するのもおすすめです。
他にも、学生と適切なコミュニケーションをとることも重要なため、 定期的な情報提供を欠かさずに、自社への志望度を上げるような工夫を しましょう。
面接結果を出すスピードが遅い
面接を行ってから、面接結果を連絡するまでに時間が空いてしまうと、学生は不安になるばかりか、会社への入社意欲が下がる恐れがあります。
売り手市場の現代では、学生は複数の企業から 内定をもらうことが多く、 その中から 志望度の高い企業に入社する 傾向にあります。
そのため、他の企業に学生が流れてしまわないように、 面接結果を出す スピードを早めつつ、 内定者フォローもしっかりとしなければなりません。
スピーディーな選考を行うには、 採用基準の明確化や学生に速やかに連絡できる体制が必要となるため、選考から内定出しまでの期間の効率化を進めましょう。
内定後フォローが不十分
初めて就職する学生にとっては、たとえ内定をもらっても、正式に入社して働き出すまでは不安が尽きないものです。
こういった場合、会社側からのフォローが不十分であると、不安が払拭されないまま時間だけが過ぎてしまい、結果として採用辞退に繋がってしまうこともあります。
また、他の企業から内定をもらった場合、 自社よりも他企業のほうが魅力的に感じてしまうと、内定辞退される可能性もあります。
そのため、内定後にも定期的な連絡や懇親会への参加を促すなど、しっかりと内定者フォローをしなければなりません。
採用担当者が内定者フォローをする時間がないとのことであれば、採用管理ツールの導入など効率的に連絡 対応ができるツールを活用するのもおすすめです。
【中途採用】の上手くいかない理由
中途採用がうまくいかないのには、新卒採用とは少し異なる理由があります。それぞれ内容を見ていきましょう。
経営者と現場の人の求めている人材が違う
人材のニーズが社内で統一されていないと、内定後のミスマッチが起こります。
たとえ経営者が優秀だと見込んで採用したとしても、現場が求めるタイプと異なる人材の場合、周囲になじめず早期退職につながることがあります。
そのため、 経営者と 採用担当者だけでターゲット像を決めるのではなく、必ず現場担当者にも確認してもらうようにしましょう。
具体的にどのようなスキルや資格を持っている人材が欲しいのかの すり合わせとともに、内定出しをする前に 現場社員にも問題ないか確認することも大切です。
会社のビジョンが不明確
会社のビジョンや経営理念がはっきりしていないと、経営方針も決まりません。
将来の目標も決められないので、どのような人材を求めれば良いのかを明確にできないでしょう。
ふわっとした状態で採用活動を行ってしまうと、 本当に必要な人材は明確になりません。
そのため、 会社のビジョン や経営理念をまず初めに しっかりと決めてから採用活動を開始するようにし、企業にとって成長できる人材を雇えるように環境を構築しましょう。
採用基準が共有されていない
採用基準は、前もって細かい点まで決めておかないと、社内で共有することができません。
たとえば、単に「明るい人」という基準だけでは、人によって判断がバラバラになってしまいます。
さらに、 採用基準が共有されていないと、選考担当者の主観で採用の有無が決まってしまい、ミスマッチの発生の原因となります。
そのため、「笑顔が似合う人」「誰にでも挨拶できる人」など、具体性を持った採用基準を設定し、どの選考担当者だとしても同じ結果になるような基準が必要です。
募集のかけ方が悪い
募集をかける媒体が中途採用に合っていなかったり、ターゲットに合った募集方法を用いていなかったりすると、応募が集まらないことがあります。
中途採用の場合、 すでにいくつかの企業を経験している人材の採用となるため、 ターゲット像に合わせて 適切な 媒体を利用しなければ 人材が集まりません。
最近では、IT系の スキルを持った人材に強い求人媒体や 看護師に特化した 求人媒体 など、 スキルに合わせた 求人媒体が多く出されています。
そのため、 ターゲットに合わせた 求人媒体 や 募集方法を用いるように、最適な方法を自社で分析した上で募集をかけるようにしましょう。
採用を効率良く行う方法
ここまでは、採用がうまくいかない理由について、新卒・中途それぞれのケースで解説しました。
実際に採用活動を成功させるのであれば、効率的な採用活動を行う必要があるため、戦略的な手法が必要となります。
ここからは、採用活動を成功させるために使える、採用を効率良く行う方法について紹介します。
マーケティング視点で採用活動を行う
採用活動においては、マーケティングの視点を取り入れることで、求職者が企業に対してどのような情報を求めているかを明確にできます。
まずは、求職者のペルソナ設定を丁寧に行い、能力、経験、転職理由、キャリアアップへの考え方などを組み込むと良いでしょう。
次に、3C分析を行い、求職者から見て自社および競合他社がどのように見えるのか、さまざまな角度から考えます。
方向性が決まったら、求職者に合わせたアプローチ法を決めるために、採用チャネルの選定や求人広告でのアピールポイントなどを検討しましょう。
学生の理解度を再確認
会社説明会などでは、学生が内容を理解できたかどうか確認するために、担当者が言葉を投げかけることもあります。
とはいえ、学生の性格や質問の仕方によっては、「はい」か「いいえ」の答えだけで終わってしまうこともあるでしょう。
これでは、学生からの質問事項があっても、質問できないまま終了してしまう恐れがあります。
学生から質問をしやすくなるような環境づくりや声かけをすることが大切です。
学生と関わる機会を設ける
入社前に、先輩社員と学生が関わる機会を設けることで、社員を身近に感じてもらえるような取り組みを行う会社も増えています。
インターン制度を活用するほか、求人サイト以外の懇親会などの機会を作り社員と触れ合える場所があると、学生も早く馴染むことができるでしょう。
学生とのコミュニケーションを欠かさない
ほとんどの学生は、複数の会社にエントリーし、内定をもらうために日々就職活動を行っています。
それだけに、学生に対して連絡が遅れると、学生の志望度も低下してしまい、他社へと気持ちが移ってしまうことがあります。
学生の気持ちを引き留めるためにも、内定後のフォローは確実に行う必要があります。
とくに最近では、就職活動にもSNSを取り入れる学生がほとんどです。
メールや電話だけでなくSNSも活用してコミュニケーションをとっていくと、より活発な交流ができるでしょう。
SNSの中でも、多くの学生が使っているLINEを活用した採用活動は効果的です。
next»もLINEを活用した採用管理ツールなので、親密感とスピード感のあるコミュニケーションに役立ちます。
適切な採用手法で行う
採用手法にはさまざまなものがあり、紙媒体や求人サイト、自社サイト内での求人ページなど、選択肢も増えてきました。
効率的な採用活動を行う場合、求めたい人材に合った求人サイトやSNSを活用しなくてはいけません。
たとえば、IT企業ならばIT企業がまとまって紹介されているようなサイトであれば、サイトを見る学生の目に留まりやすく、求める人材が集まりやすくなります。
これは、新卒だけでなく中途採用にもいえることであり、中途採用を専門に掲載する媒体やページを利用すると効果が高まります。
そのほか、より確実に人材を手に入れたい場合は、人材紹介を介して採用する・会社側から求職者にアプローチするダイレクトリクルーティングを利用するのもおすすめです。
合わせて、縁故採用の仕組みを進化させたリファラル採用を取り入れるなども、検討すると良いでしょう。
まとめ
採用がうまくいかないときには、現在の採用活動を見直してみてください。どんな状況でも、必ず解決方法が存在します。
求人コストにかかる経費の無駄を少しでも減らし、適切な人材を迎え入れるためにも、今回紹介した手法をぜひ試してみてはいかがでしょうか。