目次
グルディスは4つのタイプに分かれる
グループディスカッションとは、学生5~6人を1グループとして、同じテーマについて議論してもらい、時間内に結論を出して発表させる採用手法です。多くの学生を同時にみる採用手法の中では、もっともポピュラーな採用手法、だと言えます。グループディスカッションでは、複数人の学生同士がコミュニケーションしている場面を見ることができるため、『学生の特性』をみることが可能です。一番のメリットとしては、採用担当1~2名に対して、1グループに対して5~6人の学生を、複数グループ同時に選考ができることです。グループディスカッションは、以下の4つの種類があります。
ディスカッションの種類
①自由討論型【フリーディスカッション】
②ディベート型【賛成と反対で意見が分かれる】
③選択型の【意外と盛り上がる】
④課題解決型【社会人に絶対必要なスキル】
今回は、上記の4つの種類について解説していきます。
自由討論型【フリーディスカッション】
自由討論形式のテーマの特徴としては、お題に対して答えに正解がなく、ディスカッションの結論を自由に導き出されることです。学生のテーマを与え、フリーにディスカッションしてもらうことにより、どの角度からテーマを捉え、分析・議論して、結論(答え)を導き出すかを見ることができます。グループ(学生)が結論を導き出すまでに、どんな役割をになっているのか、どんな発言をしているのか、どんな姿勢で取り組んでいるのか等、プロセスを評価している企業様が多いです。グルディスにて評価するポイントを事前に決め、数値として評価できるシートを準備しておきましょう。
お題としては、『抽象的なもの』をオススメしています。フリーなディスカッションでは、前述の通りで『答え』がありません。そのため、どうしても抽象的なお題が多くなってしまう特徴もあります。
おすすめテーマ例
ほんの一部ではありますが、おすすめのテーマ例をご紹介します。
- 活躍できる社会人とは
- 入社した10年後の自分の未来は?
- いい会社とは、どのような会社か
- 無人島に行ったときに必要なものを3つ
- いい上司とは
- リーダーに必要な素質とはなにか
- お客様が満足する最高の接客とは
- 会社の売上を3倍にする施策を考えよ
- 魅力的な男性(女性)の特徴とは
- 営業マンに必要な資質とは何か
一例ではありますが、おすすめのテーマをご紹介させていただきました。フリーなディスカッションでは、アイスブレイクにも利用できれば、会社の選考の1つに組み込むこともできます。会社の選考の1つとして利用するときには、会社と関連性のあるテーマを設定するとよいでしょう。
知りやすい学生の素質
自由討論型(フリーディスカッション)の進行は、グループが結論を導かさるために、行力して議論を進めていく傾向にあります。テーマによりますが、”アイデア”がベースとなっています。自由型のグルディスでは、特に『アイデアマン』『相手を納得させる能力』『グループをまとめる能力』を持っている学生を見極めやすいです。
ディベート型【賛成と反対で意見が分かれる】
ディベート型の特徴としては、学生に与えたテーマを元に、”賛成”と”反対”に分かれて討論してもらうことです。グループディスカッションと似ている印象はありますが、グルディスは全員で”協力”して結論(答え)を導き出します。一方、ディベート型では”賛成”と”反対”に分かれて競い、結論を導き出す特徴があります。賛成派と反対派で学生の立場が決まっているため、所属している派閥が有利になるような発言をする必要があります。
お題の内容としては、『どちらか選択できる』テーマを準備することが大切です。”どちらでもない”という選択肢がないため、自分の意見を選択できる、お題が求められます。
おすすめテーマ例
- 朝ごはんは、パンかご飯か
- 結婚生活に必要なのは、お金か愛情か
- 消費税はこれからも増税すべきか、減税すべきか
- 仕事では、やりがいとお金、どちらが大切か
- 企業に求められるのは、姿勢か能力か
ディベートでは、AかBかを選択できるお題であることが大前提です。基本的には、学生にAかBかを選択させる企業様が多いですが、一方で、どちらかの意見に偏りが出てしまう可能性もあります。人数を調整してディベートを行えるように、企業様が学生の立場を決めてしまうのも1つです。
知りやすい学生の素質
ディベート型(討論)の進行は、すでに記述しているように、”賛成派”と”反対派”の2つに分かれます。そのために、学生が意見を発する機会が増えてきます。ディベートでは、相手が納得する、理解するというフェーズを超えなければいけないため、ただただ意見を述べるのではなく、内容が充実していることが必要です。ディベート型の選考では、『論理的な話をすることができる』『相手を納得させる能力』『相手を説得させる能力』を持っている学生を見抜きやすいです。
選択型【意外と盛り上がる】
選択型のグループディスカッションでは、与えられた選択肢の中から1つの選択肢を決定する特徴があります。他のグループディスカッションと違う点としては、学生はなぜその結論を選んだのか、という理由や妥当性が重視されることです。選択肢に出てきているものは、決定した選択肢とそれ以外の選択肢は似通っているためです。こちらもお題によっては、アイスブレイクにも選考にも組み込むことができます。
お題としては、複数の選択肢があり、かつ取るべき選択を決めれるものが適切です。選択型のグルディスに関しては、「選択肢を予め与えるか」「選択肢を与えず、1から考えさせるか」によって難易度が全然違います。詳しくは以下を参考にしてみてください。
おすすめテーマ例
- 嵐の中で、好きなメンバーは誰か
- 新卒採用で求められるのは、「誠実さ」「社交性」「堅実性」のどれをとりますか?
- おもちゃの在庫を売り切るための販売戦略を立てよ
- 小学生のカリキュラムは適切かどうか
- 日本では、電子書籍が良いか、紙製の本が良いか
選択肢があるグルディスでは、選択肢の中から1つを選び、『なぜその結論にしたか』が中心の議題になります。反面、選択肢がないグルディスでは、事実確認・データ収集をした上で、どのような選択肢があるのかを考える。その後に、選択肢を検討する必要があるため、難易度は高いです。選考の目的によって、お題をかえるようにしてください。弊社の場合、選択肢を与える場合はアイスブレイクに、選択肢を作らせる場合は選考に使い分けています。
知りやすい学生の素質
選択型のグループディスカッションでは、他のグルディスよりも事実を元に話している場面が多くみられます。事実を元にして、選択肢が『なぜそういえるのか』を証明していくため、『データ収集能力』『論理的思考性』を見ることができます。どの層の学生を獲得したいかによって、お題を設定するようにしましょう。
課題解決型【社会人に絶対必要なスキル】
課題解決型のグループディスカッションでは、お題の定義付けを行ってから現状分析に入る特徴があります。お題に対していきなり結論(答え)を導かせるのではなく、解決すべき課題や原因を見つける、つまりは「何が問題なのか」「問題を生じさせている背景・原因はなにか」を発見させてから、解決する方法を議論させていきます。学生の中には、いきなり結論や解決策を探す人がいらっしゃいます。そうならない様に、事前に考える手順を与える、または都度フィードバックするのも1つでしょう。
お題としては、現状の洗い出し、が必要なお題を設定しましょう。学生がお題に対して、「なぜそうなっているのか」「何を改善すれば良いのか」を考えられるものが適切です。おすすめのお題は以下でご紹介します。
おすすめテーマ例
- 携帯代理店の売上を2倍に伸ばせ
- 利益の出ていないアプリケーションの売上を向上させるためには
- 人々の防災意識を向上させるための施策、アイデアを考えよ
- オウンドメディアの閲覧回数を1.5倍に伸ばせ
- モスバーガーの1店舗当たりの1年間の売上を推定。売上を算出した上で、20%の売上増加のための施策を考えよ
- 大学生の1人暮らしを広めるためには
- 交通量が多い”ある都市”が行うべき施策考えよ
課題解決型のグループディスカッションでは、前述にある通り「現状」を把握する必要があります。現状を発見した上で、目標に対して改善すべき課題点の発見。その後に、どのような改善・施策をしていくのかを具体的に議論していきます。コンサルティング業界からIT業界、メーカーやベンチャー企業といった幅広い業界で出題されています。弊社では、5段階の選考フローがあるのですが、思考力をみたい選考段階で利用することが多いです。
知りやすい学生の素質
課題解決型のグルディスでは、「現状」を見つめ、目標に対して届いていない「課題」の発見、そして解決するための「方法」を探し出す必要のあるグループディスカッションです。知りやすい学生の特徴としては、『目標に対する俯瞰能力』『グループの意見の適切なまとめ役』『論理的思考力』を主に見ることができます。
まとめ
本記事では、学生の素質を見極めやすいグループディスカッションとテーマについてご紹介しました。行うグループディスカッションや学生に与えるテーマによって、学生の見られる素質が変わってきます。企業様が求める学生層にあったグループディスカッション・お題を実施することが大切になってきます。
コメントを残す