いざ就職したものの、思っていた職場と違うとミスマッチが起こり、早期離職をする新卒が増えています。新卒採用後、社員教育などを行って離職されてしまうと企業としてもマイナスなイメージを抱えることとなります。
新卒採用におけるミスマッチが起こる理由と防ぐための対策について解説いたします。
目次
新卒採用ミスマッチの割合はどのくらいなのか?
新卒採用におけるミスマッチの割合と早期離職が企業に与える影響についてみていきましょう。
新卒ミスマッチの割合
厚生労働省の雇用動向調査によると平成28年1年間の平均離職率は15%です。また学校別の3年以内の離職状況は以下の通りです。
・大学卒→31.8%
・短大卒→41.5%
つまり大卒は3人に1人、短大卒も4人に1人が就職して3年以内に離職していることになります。
(参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00001.html)
早期離職が多い企業はどうなる?
早期離職の多い企業は、新卒が離職してしまう理由をいくつか抱えています。
学生側の離職理由としては、待遇面での不満や仕事のストレス、将来性への不安、労働時間の長さなどが多くあげられます。
早く離職すればするほど、新卒社員の採用にかけたコストや、教育にかけたコストが無駄になります。将来的に利益を生み出す人材として採用していた社員が離職するということは、補充する採用活動が必要となり、新たにコストがかかってしまうのです。
また忙しい業務を割いて、新卒社員に研修の場を設けた労力も無駄になってしまうのです。多くの企業が新卒にOJTを取り入れ、新人教育を日々の業務とは別の人材育成に力を注ぎます。育成が終わった後の活躍やそこに注力することによって、失った時間も取り戻すのが難しくなります。
なぜ新卒採用のミスマッチが起こるのか
新卒採用のミスマッチはなぜ起こってしまうのでしょうか。繰り返さないために知っておきたい2つの理由をご紹介します。
理由①就職活動の変容によりミスマッチが起きている
1つ目は就職活動のスケジュールが固まらないことで起こるミスマッチです。
平成16年度卒の新卒採用からスケジュールが変更されました。従来は12月に採用情報が公開され4月に選考が開始されていましたが、採用情報公開が3月に後ろ倒しされ、それにともない選考開始も8月からとなりました。
これによって学生は採用試験を受けようと考えている企業の研究が、十分に行うことができないまま応募してしまうのです。これはほかでもない採用情報の公開から、選考に至るまでの期間が短くなっていることが要因です。
企業サイドからみても同じことが言えます。応募してきた学生に対して十分な選考ができないまま、内定を出している現実が後のミスマッチに繋がっているのです。
理由②企業側も採用ミスマッチを起こしている
2つ目は企業側に原因がある新卒社員が感じるミスマッチです。
企業はより優秀で即戦力に繋がりそうな人材が欲しいため、面接においても自社のメリットを声高らかにアピールします。その一方でデメリットは示されていないため、入社後に話が違うと感じてしまうのです。
さらに、新卒応募者の履歴書に記載されている経歴や面接で語られる成果のみに着目し、内定を出すことでミスマッチを引き起こします。
面接官は各企業の採用担当者であるため、同じ目線や価値観で評価しなくてはいけません。しかしバラつきがあることも多く、欲しい人材を取り逃してしまうことにも繋がるでしょう。
入社後のフォローを怠ってしまうと、採用時には上手くいっていたとしてもまた早期離職に繋がってしまいます。新卒者はうまく会社になじめるかなど、何かと不安があるものです。密に連絡を取り、働きやすい環境を整えることで、ミスマッチは少なからず減らすことができるでしょう。
新卒採用のミスマッチを防ぐためには?
新卒採用のミスマッチを防ぐための対策と他社の例をご紹介します。
新卒採用のミスマッチを防ぐためには採用をかえる!
採用担当者は面接の時に、福利厚生や社内イベントだけでなく、具体的な仕事内容を漏れなく説明しましょう。細かな仕事内容を話すことで入社後の大きなギャップを取り除くことができます。
また、SNSを用いて学生と定期的にコミュニケーションを取りましょう。今やSNSは学生にとっては生活の一部となっており、企業もSNSを充実させることで学生との距離を縮めることが出来ます。
従来のメールを使った採用手法では、学生に敷居が高いと感じさせてしまい、気軽に連絡を取るのに苦労していました。しかしSNSを通して企業が学生に連絡することで、企業と学生の壁が薄くなり柔軟な連絡が取れるでしょう。
細かな質疑応答をすることにより、学生側も仕事内容のイメージもできるため、未然にミスマッチを防ぐことも可能です。
当社アローリンクの採用管理ツール「next≫」を導入することで、これらが簡単に実現します。採用者の情報や、やり取りの経緯などもすべて一括で管理できるため、情報共有ツールとしても役立ちます。ぜひ一度ご相談ください。
採用管理ツール「next≫」の機能は多岐にわたります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
>>採用管理ツール「next≫」の12個の魅力
ミスマッチの防止事例
次に他社がどのようにして、ミスマッチを防止しているかを参考までにご確認ください。
「株式会社メルカリ」
社員が自社を知ってもらう交流会や食事会を催す「リファラル採用」を取り入れており、学生に企業イメージを明確にさせた上で入社してもらっています。
「株式会社デザインワン・ジャパン」
採用管理システムを導入し、本来の採用業務に尽力することができ応募者数を10倍に伸ばすことに成功。
「カネテツデリカフーズ」
指導員制度を取り入れ、指導だけでなく相談を受けるなどより細やかにサポートすることで半分と高かった離職率を数%にまで改善することに成功。
各社、ミスマッチを防ぐために様々な手法を活用しています。これらをぜひ参考にミスマッチを防いでみてください。
まとめ
新卒採用のミスマッチは入社した社員にとっても、企業にとっても大きなデメリットを生んでしまいます。時代の変容の中で企業研究の時間が取りづらい学生に対して、より積極的にデメリットも含めた情報提示を行うことも大切です。
また、採用時からコミュニケーションを密にとり、面接官同士の情報を共有するためにも採用情報を可視化できる採用管理ツールの導入は、ミスマッチ軽減に一役買う施策だといえるでしょう。