新卒採用の担当者になったけど、いつから始めるべきなのか、どのようなスケジュールで採用活動すればいいのか悩んでいませんか?
最近では、大学2年生からインターンシップに参加する学生もおり、年々就職活動の時期が早まっている傾向にあります。
そのため、新卒採用にかかる期間は2年がかりになることもあり、しっかりとスケジュールを決めて対策していかなければなりません。
本記事では、新卒採用のスケジュールから設計・戦略・いつまでに内定を出すべきかなど、網羅的にご紹介していきます。
新卒採用のスケジュール
ここでは、一例として、経団連に加入している企業のスケジュールをご紹介していきます。
未加入のベンチャー企業や中小企業の場合、もっと早い時期から採用活動を行う必要があります。
新卒採用のスケジュールは、6月頃にインターンの合同説明会があり、7月・8月頃からインターンシップを実施していきます。
そのため、1年目は夏・秋のインターンシップを行い、2年目から会社説明会の開催、面接、内定といった流れです。
最近では、夏・秋とインターンシップを分けて行うことが多く、企業の中では冬のインターンシップを開催することもあります。
また、インターンシップのあとには、説明会を開催し、実際に自社に対して興味を持ってもらえるように対策していきます。
その後、面接、内定と続いていきますが、企業は大体2年がかりで新卒採用をスケジュールすることになるため、綿密な計画が重要です。
【6~8月】夏インターンシップ
夏のインターンシップでは、6月頃にインターンの合同説明会を行い、興味を持った就活生から応募が来ます。
インターンシップとは、1dayや短期、長期のインターンを開催し、疑似的に実務を経験してもらうことです。
1dayだと、説明会やワークショップを経験でき、短期だと簡単な業務やグループワークを行うのが一般的とされています。
夏のインターンシップの場合、就活生は夏休みとなるため、多くの企業では長期間で開催し、実際に社員の業務を見てもらいつつ体験してもらっています。
また、早いタイミングでどのような業務かを知ることのできる機会なので、多くの学生が夏のインターンに参加することが多いです。
さまざまな部署を体験してもらうことで、より会社に対する魅力や働き甲斐を感じてもらえる機会でもあるため、しっかりとスケジュールしていきましょう。
【9~1月】秋インターンシップ
秋のインターンシップでは、夏のインターンに参加した学生から、初めて参加する学生まで幅広く応募がきます。
実際に、もう少し企業を知ってみたいという理由で、夏から引き続き応募する学生も少なくありません。
また、夏はサークル活動といった理由で参加できなかった学生が、秋のインターンシップに参加することもあります。
そのため、企業としては、参加回数に関わらず体験してもらいやすい企画を考えることが重要となります。
ただし、秋のインターンシップだと、学生は長期休みではなく、授業を休んでの参加となるので、長期よりも短期のものを用意したほうがよいでしょう。
【1~3月】早期、自社説明会の開催
早期説明会や自社説明会、座談会では、自社に興味を持ってくれている学生に対し、どのような会社か、業務内容や採用ポジションなどの説明をします。
入社後の教育制度や仕事内容、企業理念など、幅広く説明することがメインとなり、座談会では説明会よりもラフな環境で会話をするのが特徴です。
説明会に参加する学生の多くは、実際にどういう会社なのかを知りたくて参加するので、採用媒体に掲載している情報以上をもとめて参加しています。
そのため、説明会ではより会社について知ってもらえるような情報を提供しつつ、学生からの質問にも答えられる場面を作りましょう。
【4~6月】1~3次、最終選考
- 1次選考は、説明会で興味をもった就活生がメインとなるので、まずはスクリーニング型で選考する
- 2次選考は、入社後に直面すると思われる課題といったエピソードを説明し、入社後のイメージを持ってもらう
- 3次選考は、競合会社に対する理解や動機形成を行い、この会社に入社したいという気持ちを育てていく
さらに、1~3次面接と複数回面接をしたのち、最終選考に入る企業もあり、自社のスタイルに合わせて面接を行っていきます。
また、選考にマーケティングの観点を活用することで、ただ面接して終わりではなく、自社にマッチした人材を確保でき、早期退職も未然に防げます。
面接では、ただ就活生の話を聞くだけでなく、自社に興味を持ち、入社したい・ここで働きたいという意識を育てていくことが大切です。
面接を通して学生を教育していくことにより、すでに会社の一員となるのだという意識づけを行えるので、早期退職が発生しにくくなります。
【7~3月】内定と内定者フォロー
すべての選考が終わり次第、内定という形で就活生と労使契約を結び、入社を約束します。
手順としては、採用通知書を送付し、就活生から同意を得られたら内定通知書にサインをもらって契約を取り交わすのが流れです。
内定締結は法的効力を持ち、内定後に特に理由もなく企業側から一方的な解雇をすると、訴訟問題となるので注意してください。
また、内定期間が長くなると、本当にこの会社でいいかどうか、再考される可能性もあるので、フォローが重要です。
内定辞退は、本当に内定しているのか、この会社でやっていけるのかといった不安を覚えることが原因となることが多くなっています。
そのため、内定者に向けて、業務に関する情報を定期的に提供し、社員や同じ内定者同士の横の繋がりを作ることで、不安の払しょくを行いましょう。
新卒採用は綿密な設計が重要
新卒採用のスケジュールは大体決まっていますが、実際に採用活動を行う際には、綿密な設計が必要です。
広報活動から合同説明会により、母集団形成を行っていきますが、「どうしたら入社してもらえるか」を念頭に行動する必要があります。
また、新卒採用は売り手市場となっているので、他社との差別化を図ることで、より多くの学生から応募してもらえます。
まずは、どのようなストーリーで採用活動を行っていくのか、他社との差別化を図るにはどうすればいいのかを検討していきましょう。
ストーリー性を考えて設計する
採用したい人物像を社内で検討して明確化を行い、どうすれば入社してもらえるかを考えていきます。
具体的には、採用したい人材が「知りたい」と思っているような発信を行い、自社への興味を強く持ってもらうようにしましょう。
そして、人や社風についても発信していくことでより深く理解してもらえれば、ファン化でき、ここで働きたい!という気持ちが芽生えます。
採用したい人物像をもとに、就活生の傾向を知ることで発信内容が決まるので、ストーリー性を組み込んで訴求戦略を立てていきましょう。
強みを生かして他社との差別化を図る
大手企業に比べると、中小企業は知名度が低いことがあるので、まずは自社の強みを知ってもらい、他社との差別化を図ることが重要です。
そのため、広報活動の幅を広げる・SNSを活用するなど、より多くの学生に企業を知ってもらうような活動を行いましょう。
発信内容としては、どういった業務をしているのか、福利厚生はなにがあるのか、といった、実際に働いている雰囲気などがおすすめです。
自社にとっての魅力を存分に伝えられるよう、他社とはここがちがう!という強みをしっかりと把握し、打ち出していくようにしましょう。
インターンシップに参加してもらうための戦略
インターンシップに参加してもらうには、実際にこの会社で働いてみたいなという気持ちを持ってもらい、エントリーしてもらう必要があります。
まずは、広報活動や合同説明会で注目してもらえるように、学生の興味を惹くような説明会を行いましょう。
また、会社パンフレットを目の引くものにすれば、受け取ってもらいやすく、持ち帰った後も印象が強く残ります。
次のステップとして、LINEの交換により連絡手段を獲得できれば、開催予定のインターンシップといった情報をリアルタイムで届けられます。
合同説明会で注目してもらう
合同説明会は、他社よりも興味を引くようなブース設計が必要となり、多くの学生に立ち寄ってもらえるような工夫を行いましょう。
ユニークなブース設計には、イベント形式のものがあり、脱出ゲームや謎解きといった遊び感覚で参加できるものを提供している会社もあります。
学生が楽しんで参加できるものなら、印象が強く残りやすく、興味を持たれやすい傾向にあります。
結果、当初は説明を聞く予定でなかったとしても、せっかくだから参加してみようと思ってもらいやすくなります。
さらに、ゲームに参加する感覚となるため、就活だというよりも楽しみたいと気持ちが変わり、就活生の本性を見やすくなるのが特徴です。
盛り上がっているときは、学生自身が就活中だということを忘れやすく、学生本来の姿を見たいのであれば、取り入れてみるのも面白いでしょう。
会社パンフレットは目を引くものを作る
会社パンフレットは、受け取ってもらえても印象が薄いと、どんな会社だったかと覚えてもらえていないことがあります。
そのため、インパクトや興味を惹きやすいようなデザインで情報を掲載できれば、強く印象に残すことが可能です。
最近では、コミック風のパンフレットや雑誌風といった、ユニークなデザインのパンフレットも多く、企業はさまざまな工夫を行っています。
また、パンフレットを紙ではなく電子化できれば、いつでも見られる・コスパが良い・動画も載せられるといったメリットがたくさんあります。
会社のリンクや福利厚生情報などもリンクで載せられれば、紙のパンフレットよりも細かくわかりやすく情報を発信が可能です。
情報の更新があっても、新しく印刷することもなく、配り残りによる廃棄処分も発生しないので、コスト削減にもつながります。
QRコードを読み取ってもらえると、電子パンフレットを取得できるといった工夫により、学生はパンフレットを持ち帰る手間もありません。
企業と学生の双方にとって、非常にメリットが大きいので、パンフレットを電子化してみてはいかがでしょうか。
LINEの交換で密なコミュニケーションを取る
採用活動の一環として、SNSを導入する企業も多くなってきましたが、コミュニケーションを取る目的としてLINEが活用できるのをご存知でしょうか。
LINEは、1対1でのコミュニケーションを取るのに優れており、最近の学生のほとんどが導入しているのが特徴です。
メールよりも手軽なので、気軽に情報を見てもらえるといったメリットもあります。
また、メールだと見てもらえているのか変わりませんが、既読確認により見てもらえているかどうか判断可能です。
さらに、LINE採用管理ツールを使えば、学生のアクションに合った情報を自動で発信できる機能も搭載されています。
採用担当者の負担を軽減できるよう、採用のプロであるコンサルタントからサポートしてもらえるサービスも受けられます。
いつまでに内定するべきか
就活生は、1社2社ではなく、10社以上の面接を受けることがほとんどで、複数社から内定をもらうこともしばしばあります。
そのため、すべての面接をクリアしており、欲しい人材だと社内でも決定されたのであれば、速やかに内定通知書を出すと良いでしょう。
せっかく欲しい人材だとしても、社内で内定が決まっているのに学生への通知を先延ばしにしてしまうと、他の会社に取られてしまいます。
面接から内定通知書の送付まで、遅れがないようにしっかりとスケジュールを立てるようにしましょう。
内々定の活用で欲しい人材にアプローチする
基本的に、7月~3月が内定を出す期間とされていますが、就活市場は年々早期化しているので、早い会社だと5~6月には内定を出すことがあります。
ただ、業種によって内定の時期はさまざまなため、選考状況に応じて、適切なタイミングで内定を出すようにしましょう。
また、内定と内々定というものがあり、それぞれ意味合いがおおきく異なります。
内定は、内定通知後に雇用契約を結ぶものとなり、基本的には入社が約束されたものなので、企業から勝手に内定棄却をできません。
内々定は、内定の約束をするだけとなり、特に雇用契約を結ぶものではないため、内定の仮予約といったイメージです。
口約束のようなものとなり法的効力はありませんが、就活生に問題がないのに企業都合での内々定棄却は、印象悪くなるのでおすすめしません。
早すぎるタイミングであるものの、優秀な学生であれば早めに確保しておきたいのが企業の本音でしょう。
そんな時は、内々定により欲しい人材に早期アプローチを行い、期日が来たら内定を出してみるのも1つの手です。
早めの内定はフォローが重要
早めに内定を出した場合、入社まで特に何も内定者へのフォローをしなかったとなると、学生が不安になってしまい内定辞退されることがあります。
内定者は、学生から新社会人へと変わる時期で、非常に多くの不安を抱えており、内定後に何らかのアクションがないとこの会社でいいのかと不安になります。
そのため、内定した後は定期的な連絡・懇親会の開催といった内定者フォローを行うことで、学生の心変わりを防ぐことが可能です。
また、内定者フォローにより、自社の特徴や業務内容をより深く知ってもらえるので、入社時にはある程度の知識をつけておいてもらうこともできます。
このように、内定した後も、内定者とのコミュニケーションをしっかりと取り、内定辞退されないように入社まで意欲を高めておくことが重要です。
新卒採用を効率化するなら採マネnext≫がおすすめ
新卒採用を行うには、母集団形成のための広報活動や説明会の開催、インターンシップの実行など、さまざまな手順を必要とします。
そのため、計画を立て実行するまでに非常に時間がかかるので、スムーズに業務できるような工夫が必要となります。
さらに、内定した後もフォローが重要となり、採用担当者の業務内容は非常に多いといえるでしょう。
弊社の提供する採マネnext≫では、採用管理ツールの提供とともに、採用コンサルティングによるサポートを行っているのが特徴です。
応募者管理からファイルの一元管理機能、選考結果といったステータス管理など、さまざまな機能で採用担当者の負担を軽減できるようなサポートを行っています。
さらに、採用コンサルタントによるサポートでは、お客様の抱えている課題に対し、的確なアプローチをできるようにご提案しています。
採用管理ツールを導入しただけでは、採用課題に関する根本的な悩みは解決されません。
弊社の採用コンサルタントと一緒に、より良い人材を確保できるように対策していきましょう。