採用担当者の悩みのひとつに、面接の直前になってから応募者からキャンセルをされてしまう、いわゆる「ドタキャン」があります。
ドタキャンが発生すると、予定が崩れてしまい、採用業務がスムーズに進まなくなってしまいます。採用担当者としては、何とかして減らしたいところです。
今回は、応募者が面接でドタキャンをする理由と、ドタキャンを減らす方法について紹介します。
目次
なぜドタキャンをしてしまうのか。応募者がキャンセルした理由
応募者がどのような事情でドタキャン(面接の直前になって応募者からキャンセル)をするのか、具体的な理由について紹介します。
じつは応募者だけが悪いまたは原因があり、キャンセルになるというわけではありません。企業側(会社)にも原因がある場合もあります。
応募者がドタキャンした理由
■応募者側が原因
・他社から内定をもらった
・興味度が下がる、優先順位が変わった
・体調不良・家庭の事情
■企業側が原因
・企業側の対応が良くない
・応募者からの質問や対応が遅い
・会社の口コミ・評判が低い(その口コミを応募者が見た)
応募者側、企業側でそれぞれ理由があります。
また、ドタキャン至った結果、連絡をしない方もいるのも事実です。理由についてしっかり向き合い、キャンセルとなった場合の対応についても考えていきましょう。
ドタキャンした理由 ≫「応募者」が原因
求職者(応募者)に原因があり、選考のキャンセル・ドタキャンになる理由は3つあります。
他社との比較や応募者本人の事情で、キャンセルする方は多いです。
他社から内定をもらった
複数の企業に同時に応募しているケースがあります。就活を確実成功させるために1社以上の応募している求職者は多いです。
転職支援サイトのマイナビ転職では以下のようなデータを公開しております。
〜19歳 4.1社
20〜25歳 6.3社
26〜30歳 7.1社
31〜35歳 8.2社
36〜40歳 8.7社
41〜45歳 10.1社
46〜50歳 12.1社
51〜55歳 14.5社
56〜60歳 14.5社
61歳以上 15.2社マイナビ転職『※マイナビ転職に2017年10月16日から11月15日の一カ月間にログインした会員で、過去6カ月以内に応募した社数』より引用
なんと新卒採用にあたる20~25歳が「6.3社」という結果になりました。1人当たり6社選考していると思うと、驚く方も多いはずです。
他の企業から先に採用通知が届いたことで、他社の入社を決める場合もあります。
また、他社の選考・内定の途中で、なかなか連絡ができない場合もあります。
興味度が下がる、優先順位が変わった
つい先日までは選考意欲が高かった応募者も選考を進めていくうちに興味度が下がることだってあり得るでしょう。他社との比較で優先順位が変わり、そのまま辞退になるということも考えられます。
また、就職活動自体を改めるケースもあります。応募者との定期的な連絡を取り、状況を把握しておきましょう。
体調不良・家庭の事情
当日の体調不良で選考に参加できないことも考えておきましょう。「体調不良が理由で選考辞退」ということに申し訳なさを感じ、そのまま連絡できないことも考えられます。また、ご家族や親族の他界で、連絡できる状況ではないこともあります。
このような理由も考えられるので、万が一ドタキャンになったとしても、その理由を見越して気遣いのあるフォローが大切になってきます。
ドタキャンした理由 ≫「企業側」が原因
企業側に原因があり、選考のキャンセル・ドタキャンになる理由は3つあります。
応募者(求職者)自身ははじめ、選考意欲が高かったが、企業側の対応や企業の口コミなどを見て、応募意欲が下がり、キャンセルに繋がりやすいです。
企業側の対応が良くない
電話やメールでの対応が悪いと、ドタキャンに繋がってしまう可能性があります。
電話やメールでの受け答えが冷たかったり、雑だったりすると、不満を感じて選考をキャンセルすることも十分に考えられます。お互いの顔が見えないため、不信感も募りやすいです。
応募者からの質問への対応が遅い
返信の文面が問題なかったり、電話での対応が問題なかったりしても、応募者から質問や回答の対応が遅いと、不信感やストレスに繋がることがあります。
対応を早くするのはもちろん、対応が早くできるように仕組みを考えたり、採用担当を増やしたりする工夫は必要です。
会社の口コミ・評判が低い(その口コミを応募者が見た)
インターネットなどで情報収集する際に、会社の悪い評判や口コミを見て、応募者の気持ちが変わることもあります。また、直接耳に入る口コミも考えられます。
エン・ジャパン株式会社が運営する日本最大級の総合求人サイト「エン転職」では、ユーザーを対象に「転職活動時のクチコミ閲覧」についてアンケートを実施したところ、以下のような回答になりました。
転職活動の中で、企業に関する社員クチコミを見ますか?
全体 見る 50%
見ない 31%
分からない 19%20代 見る 57%
見ない 25%
分からない 18%30代 見る 53%
見ない 27%
分からない 10%エン・ジャパン株式会社「『転職活動時のクチコミ閲覧』実態調査」より
上記のデータを見ると、就職活動をしている半分以上の方が、口コミを見ると回答しております。
特に新卒採用に力入れている企業は20代の結果は重要な内容です。若い世代ほど、口コミを見る傾向にあります。
悪い口コミが増えないように経営をしないのはもちろん、今ある口コミでキャンセル出るのを前提に採用人数を増やすことも検討していきましょう。
ドタキャンを防ぐにはコミュニケーションが重要
面接前から応募者とコミュニケーションを取っておくことが大切です。
コミュニケーションをとることで、応募者の方もキャンセルはしづらいと感じるでしょう。
また、以下の4つのポイントをおさえることは非常に重要です。
・マナーを守ったメール・電話対応を心がける
・レスポンスは迅速にする
・面接日時は複数提示する
・リマインドをする
マナーを守ったメール・電話対応を心がける
メールの誤字脱字、電話でのトーンといった最低限のマナーを守るのはもちろん、応対する時の態度についてもしっかり気をつけましょう。
「こっちは採用する側だから」といった傲慢な態度から、上から目線になったり、横柄な態度をとったりすれば印象は確実に下がります。
せっかく第一印象がよくても一度の電話やメールで気持ちが変わることは十分考えられます。特に電話対応は十分に気をつけましょう。
レスポンスは迅速にする
面接前に、応募者とメールなどでやり取りする機会があるでしょう。
面接の日程や求職者からの質問に回答する際には、迅速に返すことが重要です。
レスポンスの遅い企業は、応募者にマイナスなイメージを与えてしまいます。
また、早く内定が出た企業に入社しようと考えている応募者も多いです。
レスポンスが遅いと、その間に並行して応募している他社での選考が進み、流れてしまう可能性も考えられます。
面接日時は複数提示する
面接日時が少ないことで応募者が面接日時を決めることができず、辞退に繋がってしまう場合もあります。
採用したいと思っている優秀な人材ほど、「忙しい」と思っていた方がいいでしょう。
応募者側にももちろん「都合がある」ので、複数の選択肢を提示してあげましょう。土日祝日の面接日を設けることもぜひ検討していきましょう。
リマインドする
面接日の前日か前々日に、リマインドメールを入れてみましょう。
応募者が日程を勘違いしていたことによるドタキャンは、これだけで防止できます。
迷っている応募者にとっても企業から連絡が来ることで気持ちが和らぎ、まずは相談しようと考えるかもしれません。
当日に辞退の連絡を入れようと思っていた応募者も、メールが来たことで一応面接を受けてみようと考える人は多いです。
初めから返信のない応募者にも効果的な方法です。リマインド連絡の返信の有無で対策・スケジュールを組むこともできそうです。
「連絡なしのドタキャン」をさせないための対策
応募者の中には、諸事情でドタキャンしたうえで、連絡を一切しない方もいます。
面接当日でそのようなことをされては採用担当も当日だけでなく、その後の対応も大変でしょう。そうならないために事前に対策を考えることは重要です。
・当日連絡がなかった場合の今後の流れの説明をする
・不採用通知する旨、案内しておく
選考時にバタバタすることなく、計画的に採用活動が見込めます。では、解説していきます。
先行当日、連絡がなかった場合の今後の流れの説明をする
応募者(求職者)に連絡なしで選考をキャンセルした場合の説明をしておくと、「連絡をしない」ということに抵抗が生じるでしょう。
万が一、連絡なしで選考キャンセルとなったとしても、採用担当も案内した流れに沿って不採用にしたり、再選考の案内をしたりすることができます。
不採用通知する旨、案内しておく
「先行当日に連絡がなければ、不採用にする」と割り切ることも考えましょう。応募者自身も簡単にドタキャンすることはまず無くなります。
連絡がなければ不採用ということが分かっていれば、より行動は慎重になり、連絡もするでしょう。
採用担当側にとっても、選考人数の調整ができたり、採用計画がしやすくなったりするでしょう。
万が一、ドタキャンされた場合の対処法3つ
・電話またはメールで連絡をとる
・不採用通知を送る
・日程の再調整をする
ドタキャンしないための対策をしていたのにも関わらず、当日ドタキャンをする応募者が出る可能性があります。
「先行当日のドタキャンの対処方法」も事前に考えておくことで、万が一のドタキャンにも落ち着いて対応できます。
電話またはメールで連絡をとる
「引き続き連絡がない場合、不採用にする予定」といった方にも、一応メールや電話で確認の連絡はしましょう。本人は意欲があったが、体調不良、不慮の事故などで行くことができなくなったというパターンも十分考えられます。
ドタキャンにもさまざまな理由があるので、一応確認の連絡は推奨します。連絡のタイミングは早すぎず、遅すぎず、その点も気を付けていきましょう。
不採用通知を送る
面接のドタキャンや無断キャンセルは、何かしら理由はあるかもしれませんが、企業に対して失礼な行為といえます。ドタキャンという行為が採用基準に満たないとし、不採用通知を送るという企業もあります。
不採用通知をお送りする基準を社内で話し合うことも考えていきましょう。
日程の再調整をする
「採用人数が多い」「欲しい優秀な人材」などを理由に、日程の再調整のメールをお送りすることも1つありでしょう。面接当日にドタキャンとなっても、この日程再調整のメールを送ることで、選考の意志を確認したり、応募者からの連絡の催促に繋がったりします。
ただし、日程再調整のメールをお送りする際は、そのメールでさえも連絡がない場合もあるので期限を設けることが先決です。
おすすめのコミュニケーションツール
応募者と密なコミュニケーションを取り、関係構築をすることは簡単ではありません。
電話やメールを主なツールとして活用している採用担当者では、そのノウハウを得ることも難しいです。
next≫なら、LINEを使っていつでも求職者とこまめにコミュニケーションを取ることができます。
LINEは利用者数が多く、メールや電話と比べて気軽に会話できるのが一番のメリットです。
また、next≫は以下の点もおすすめです。
■クリック履歴や動画再生履歴などから興味が高いか低いかを判別し、メッセージ送信を行うことができる。
応募者の興味・関心に応じたナーチャリングのノウハウを取り入れ、効果的なアプローチが可能です。
■選考中の応募者や内定者などセグメント別にメッセージを配信することも可能。
翌日や翌々日に面接予定の応募者にはリマインド配信も自動で行なえるため、採用担当者の負担を軽減できるでしょう。
ドタキャン防止のためには、応募の段階から求職者とコミュニケーションを取っておくことが大切です。
ぜひnext≫を活用し、効率的な採用につなげてください。
まとめ
面接のドタキャンは採用担当者にとって悩みの種ですが、応募者側のやむを得ない事情でキャンセルになることももちろんあります。
応募者側の立場に立って、親身なコミュニケーションをとっていきましょう。
また、企業側に原因があったり、他社比較が理由でキャンセルになることはあります。この場合も適切なコミュニケーションが必要となります。
・マナーを守ったメール・電話対応を心がける
・レスポンスは迅速にする
・面接日時は複数提示する
・リマインドをする
上記の4つのポイント意識したコミュニケーションは非常に重要です。リマインド連絡やレスポンスを迅速に行うなどの対策を行っていきましょう。
コミュニケーションを改善することでドタキャンの頻度も減ってくるでしょう。