人材の採用活動に、マーケティングの手法を導入する企業が増えている昨今、「カスタマージャーニーマップ」もよく使われる手法のひとつです。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を購入するに至る経路のことで、採用活動では会社を知ることから入社までのこととなります。
本記事では、採用活動にカスタマージャーニーマップを活用するメリットと、最適な活用方法を紹介します。
目次
採用マーケティングとカスタマージャーニーマップとは
まずは、採用マーケティングやカスタマージャーニーマップとは何なのか、知っておきましょう。
採用マーケティングとは
本来、「マーケティング」には「顧客が商品やサービスを自発的に選んでくれる仕組みづくり」という意味合いがあります。
採用マーケティングは、ターゲットとなる顧客の思考や行動を分析して、ニーズに合った商品をつくることや、効果的に広告を打つことを指します。
例えば、求人情報を出す場合数多くの媒体があるため、自社に適している広告を見極めることは簡単ではありません。
人材を確保できたとしても、採用には莫大な費用がかかっているため、ミスマッチによって離職すると、企業にとっては大きな損失になります。
ここに採用マーケティングを導入することで、欲しい人材にダイレクトなアプローチができるだけでなく、ミスマッチにもつながります。
\あわせて読みたい!/
採用マーケティングとは?手法や戦略、メリットを解説|成功事例も紹介
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入・利用に至るまでの思考や行動を、プロセスごとに分析する手法です。
そのプロセスが旅のように見えるため、「顧客の旅の地図」(カスタマージャーニーマップ)という名前がつけられています。
プロセスは顧客から見て、以下の5つが挙げられます。
- 認知
- 興味・関心
- 比較・検討
- 購入・利用
- 継続
採用活動の場合は、前述の「購入・利用」を置き換えると、「内定・入社」になるでしょう。
それぞれにタッチポイント(接点)や思考、行動を分析し、課題を発見して戦略を考えます。
企業は、それぞれのプロセスにおいて「何をすれば良いのか」視覚的に確認しやすいのがカスタマージャーニーマップの特徴です。
カスタマージャーニーマップのメリット
採用にカスタマージャーニーマップを導入するメリットは以下の通りです。
・採用コストの圧縮
・欲しい人材の効率よくアプローチが可能
・離職率の減少
ここでは、カスタマージャーニーマップを導入する各メリットについて解説します。
採用コストの圧縮
カスタマージャーニーマップを活用することで、プロセスごとのタッチポイントが分析できるため、採用コストの削減につながります。
プロセスごとのタッチポイントができると「どの媒体を使えばいいか」「どのような内容で求人情報を出せば欲しい人材の印象に残りやすくなるか」など、明確な分析が可能になります。
結果、効果の薄い媒体へ無駄な求人情報を出す必要がなくなり、その分のコストを別に回すことができるのです。
欲しい人材に効率よくアプローチが可能
分析結果から欲しい人材の思考や行動が分かれば、プロセスごとに必要な情報や最適な体験を求職者にアプローチできます。
次第にターゲットのエンゲージメントが強くなり、入社に結びつけやすくなります。
離職率の減少
カスタマージャーニーマップの狙いどおりに採用できた求職者は、企業とのエンゲージメントが強くなっているので、相性も良いはずです。
入社しても満足度が高い状態を維持できるため、早期の離職を防げるでしょう。
離職率が減少すれば、採用にかかるコストも下げられます。
\あわせて読みたい!/
新卒採用時のLINE活用術を成功事例をもとに徹底解説|メリットも紹介
カスタマージャーニーマップの作成方法と注意点
最後に、基本的なカスタマージャーニーマップの作成方法と注意点を見てみましょう。
カスタマージャーニーマップの作成方法
カスタマージャーニーマップは以下の手順で作成します。
- 要素をマップに書き込む
- ターゲットとなる人材をペルソナ化して、ゴールを設定する
- 仮説を立てて、情報を収集する
1.要素をマップに書き込む
横軸(列)にプロセスを並べ、縦軸(行)にそれぞれの思考や行動、タッチポイント、課題、戦略などを書き込んでいきます。
そして、プロセスには以下の要素についても記載していきます。
・認知
・興味・関心
・比較・検討
・購入・利用
・継続
上記の5つ以外にも、企業ごとに必要と思われるものを加えても構いません。
2.ターゲットとなる人材をペルソナ化して、ゴールを設定する
ターゲットとなる人材をペルソナ※化して、ゴールを設定します。
企業が欲しい人材がどのような思考、行動をするか明確にする上で必要です。
ゴールについては「入社」をゴールに設定するのが一般的です。
ただし、求人情報の閲覧やエントリーなど、その前のプロセスに課題がある場合は、そこをゴールにしても良いでしょう。
入社以外をゴールに設定した場合は、ゴールに至るまでのプロセスも変わりますので、注意してください。
※ペルソナ…ターゲット層をより詳しく細分化した架空の人物像のことです。
3.仮説を立てて、情報を収集する
大枠が決まったら、データを分析し仮説を立て、社員にヒアリングを行い、必要な情報を集めましょう。
最後に、集めた情報をカスタマージャーニーマップの該当箇所に配置して、課題や有効な戦略を考えます。
\あわせて読みたい!/
採用を成功させるKPIとは?設定方法や運営のポイントを解説
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
カスタマージャーニーマップは、あくまでも欲しい人材を入社に導くための手段です。
当然、欲しい人材の思考や行動が反映されていなければいけません。
しかし、作成しているうちにどうしても企業の「こうだろう」「こうあって欲しい」という主観が盛り込まれがちです。
そのため、客観視を重視し、常に欲しい人材の視点で作成するようにしましょう。
また、初めから細部まで完璧に作成しようとすると時間ばかりかかってしまい、いつまでも完成しないという事態に陥ってしまいます。
ひとまず、分かる範囲で全体像を作成し、そこから細部を詰めてブラッシュアップする方法がおすすめです。
まとめ
採用にカスタマージャーニーマップを導入すれば、欲しい人材に効率よくアプローチができ、離職率を減少できることから、採用コストを削減できます。
作成にあたっては、企業視点ではなく、欲しい人材の立場になって考えるようにしましょう。
採マネnext≫は、カスタマージャーニーの考え方を取り入れた採用ツールです。
応募者をセグメント分けして最適なメッセージを自動配信できるほか、セグメント情報や行動履歴に応じた画面上のメニュー変更も自動で行えます。
カスタマージャーニーマップを設定して、採用率を高めたいと考えている担当者の方はぜひご相談ください。